私と親の間には(その3)

親にとって最初の子供というのは、何もかもが初めての経験だから、つい、神経質に育ててしまいがちだとききます。


私は3人姉妹の長女です。
親にとって初めての子供になります。
妹達よりも写真の数が多く、それだけ、思いを入れて育ててくれたと思います。
ただ、過干渉になってしまっていたことも又事実です。


小学生低学年の頃、友達が自転車に乗っていたので、私も自転車に乗りたいと親に言いました。
ところが、
「あんな危ないもの、乗らんでええ!」
と簡単に却下されました。
おかげで、私は自転車に乗れません。


高校生の頃、クラブの夏の合宿が学校内でありました。
他のクラブが外へ泊りがけで行く中で、校内で合宿するくらい可愛いものです。
ところが、親は
「高校生が男女一緒に泊まるなんて許しません。学校やったら、家から通えるんやから、そうしなさい」
とこれも却下されました。


二十歳を過ぎた頃、車の免許を取りたいと親に言いました。
もちろん、自分で貯めたお金で。
ところが、
大阪市内に住んでたら、交通の便がいいんやから、車なんて必要ない!免許なんてとらんでもええ!」
とこれも又却下されました。
おかけで、私は車の免許を持たない為、写真付身分証明書が必要な時に苦労しています。


私に対しては、きつかったのに、妹達には甘い親でした。
たとえば、末っ子の妹が高校のクラブの夏合宿で学校に泊まった時、簡単に親は許したし、差し入れまでして応援していました。
また、妹達は二人とも車の免許を取得しています。
これも親が許したからです。


長女なのだから、妹達の面倒をみるのは当たり前。
幼い頃、頂いたお菓子などを私は3等分して妹達に分け与えました。
けれども妹は全部自分で食べてしまいました。
親は、妹であなたより小さいのだから当たり前と言いました。


長女なのだから仕方がない。
その言葉は呪文のように私の中にこびりついています。


でも、その経験があったからこそ、私は息子に、彼がやりたいと言ったことは、全て挑戦させることができました。
おかげで息子は、物怖じしない、何事にも積極的な、たくましい人間に成長しました。


人間万事塞翁が馬
何が良いことを運んできて、何が悪いことを運んでくるかは、本当にわかりません。