私と親の間には(その4)

私が親との事を綴っているのは、別に親を恨んでいるからでも、憎んでいるからでもありません。
今、この年齢になって、改めて、親もただのひとりの人間だったのだという事を再認識していく作業をしているだけなのです。
自分が子供を持って子育てをしていく中で、子供がどんなに幼くても、一つの人格を持った、自分とは別の人間なのだと感じた事が動機のひとつでもあります。



実家独特のルールに基づいて、テレビを制限されたり、習い事も制限されたり、クラブ活動も制限されたりしましたが、唯一、読書とスピリチュアルな事に関しては何も言わない親でした。



読書に関しては、中学生の私が、横溝正史金田一耕助シリーズや、平井和正の狼男《ウルフガイ》のシリーズなど、子供にとっては刺激の強い書物を読んでいても、何も言いませんでした。
漫画であろうと、歴史小説であろうと、推理小説であろうと、SFであろうと一切何も言いませんでした。
どんなジャンルであってもそれは黙認されたので、【読書】に関しては、私を信じていてくれたように思います。



又、夏休みなどによくテレビで心霊に関する事が放映されると、それを私達姉妹が見ても、親も一緒に見るので、何も言われませんでした。
それには、田舎で不思議な体験をした子供時代が両親にもあったからだと思われます。
母が幼い頃、夏のある日、家の縁側で家族で夕涼みをしていたそうです。
すると、向かいの家から大きな火の玉が現れて、長い緒をひいて迫ってきて、あたり一帯が真昼のように明るくなったそうです。
母達の上空を舞うと、やがて、その火の玉は別の方向へ飛んで行ったとのことです。
翌日、向かいのおうちのおばあさんが亡くなられたそうです。
母は、きっと向かいのおばあさんが挨拶に来てくれたのだと思うと申しておりました。
田舎では、よく、お墓で火の玉を見かけたそうです。



そんな母でしたので、私が19歳の時に金縛りにあって、夢で見た数珠の話をした時も、少しも動じることなく、その数珠を平然と出してきて私にくれました。



主人の父の告別式の時、私達のそばで丸い透明の光の球体がよりそっていて、とてもやさしい感じを受けたと、末の妹から後で聞きました。お義父さんだと思ったと妹は申していました。



最近、誰もいない部屋から物音がしたり、歩く音がしたりするので、
お盆が近いから、お義父さんが戻ってこられているのかなあと思っています。



そんな感じで結構身近に、スピリチュアルな事がおこっています。