『みんな仲良く』は遠く…

アフガニスタンで活動されていた、ペシャワール会伊藤和也さんのご遺体が発見されました。
無事であって欲しいという大勢の方の願いも虚しく、残念でなりません。
お父様のコメントに、「息子を誇りに思う」とありましたが、私も伊藤和也さんは日本人の誇りだと思います。
とはいうものの、母としての立場から言うと、悲しくて、絶望のあまり、しばらくは立ち直れなくなってしまうと思います。


困っている人に手を差し伸べるという、人として当たり前のことを、でも、口で言うほどには簡単にはできない事を、信念を持って活動されてこられた伊藤和也さんの功績を称え、ご冥福をお祈りいたします。


私の好きな映画『ハウルの動く城』の中で確かこんな台詞があったと思います。
ハウルがソフィーに向かって言った言葉です。
「あーあ、ソフィーはみんな連れてきちゃったんだね」
ソフィーは、行き掛かり上、荒地の魔女やサリマンの犬やら敵味方関係なくみんなハウルの動く城に連れてきてしまいます。
でも、ハウルも又、そんな事を言いながらも、みんなを城の中へ受け入れます。
立場や考え方が違っても受け入れる寛容さ、それがとても素晴らしいと思うのです。


『みんな仲良く』
それは、幼い頃、皆さん必ず教えられた事だと思います。
でも、現実には、大人になるにつれ、それが難しくなっていきます。
今回の事件も、犯人に、相手を尊重するという寛容さがあれば、
自己中心的な考え方がなければ、おきなかったに違いないと思えるのです。
身近な人間関係でも誤解は付き物。
ましてや、国が違えば、宗教も考え方も習慣も違ってしまうので、余計に誤解が生まれやすくなります。
犯人の武装集団がどんな教育を受けてきたのかわかりませんが、
広く世の中を見つめて、今、何をなすべきかを、
もっと考えて行動し、そして反省していただきたいと思います。
そして、ご遺族に謝罪していただきたいと思います。


世界が『みんな仲良く』になる道は、遠い…。