袖振り合うも他生の縁

経済講演会の帰り、市バスに乗りました。
降りる予定の停留所までは結構距離があります。
でも、今日は時間が早く過ぎてその距離を感じずに済みました。


途中からバスに乗って来られた年配の男性がいらっしゃいました。
私の斜め前の座席に座られ、私に
「今、何時ですか?」
と尋ねてこられました。
私が時刻を答えると、世間話が始まりました。


不景気の事、リストラの事、体が元気であれば頑張って働いていくしかない事、etc。
そして、話題は私の家族に向けての事へなっていきました。
「だんなさんは何時まで働いてはるの?」
「10時くらいです」
「そんな遅くまで?むちゃくちゃやなあ。それでもしんどいんか?」
「ええ、生活していくのは大変です」
「姉ちゃん、それでもな、だんなさんに文句言うたり、愚痴言うたりしたらあかんで。
 そんな事したら喧嘩になってしまうでな」
「そうですね」


しばらくすると、
「姉ちゃん、だんなさんは何時まで働いてはるの?」
エンドレスなのです。


私は同じ答えを繰り返しました。
人の良い笑顔で話しかけてこられるその方のおかげで、今日は、バスに乗っている間の
長い距離と時間を感じずに済みました。
ただ、大きな声で話されるので、それが他の乗客の皆さんにご迷惑ではなかったかしら?
とちょっぴり、恥ずかしさと共に気になっていたのは事実です。


でも、バスの中の楽しい時間をありがとうございました。