術後カテーテル検査

1991年12月、丁度私達夫婦は会社の忘年会に行っていました。
息子は主人の両親がみてくれていました。
当時はまだバブルで景気がよく、忘年会でしゃぶしゃぶに行ったのですが、
とてもじゃないけど食べきれないという位の量がでて、従業員さんも
私達も満腹で機嫌よくすごし、帰宅しました。


ところが、帰宅してみると義父母の機嫌がよくありません。
私達が出かけている間に、国立循環器病センターから電話があったのです。
カテテール検査の為入院してくださいという連絡でした。
その1本の電話の為に、心配の余り、義父母は機嫌を悪くしていたのでした。


明けて1月、息子は術後のカテーテル検査を受ける為、入院しました。
入院期間は1週間との事でした。
前回はまだ赤ちゃんでしたので、寝かしつけるか、寝なければラックに座らせて
ナースステーションに預けていました。
ところが今回はそういうわけにはいきません。
1歳5ヶ月の息子は歩けるし、私達の姿が見えないと騒ぎます。
どうしたものか?と思っていたら、
丁度Aちゃんも検査の為入院している事がわかりました。
Aちゃんのお母さんに教えてもらって、プレイルームへ預けて帰ればいい事が
わかりました。


帰り際、息子をプレイルームへ連れて行きました。
たくさんのおもちゃの中で、子供達が看護師さんと遊んでいました。
その姿を見た息子は私の手を振りほどき、プレイルームの中へ入っていきました。
看護師さんが(今のうちよ)と目くばせをされたので、頭を下げてその場を去り、
帰途につきました。


翌日、同じようにプレイルームへ息子を預けて帰ろうとしたら、
敵もさるもの、プレイルームの入口で頑として動きません。
私にしがみついて離れないのです。
おそらく昨日、はたと気づいた時、私達の姿が見えなくて寂しい思いを
したのでしょう。
終いにはギャアギャア泣きだす始末。
看護師さんが傍にきて息子を抱き上げました。
息子は火がついたように泣き叫びましたが、看護師さんがあやしながら
プレイルームの奥へと連れていかれました。
その隙に、後ろ髪を思いっきりひかれながら病院を後にしました。


カテーテル検査は、やはり全身麻酔で行われました。
検査後のお医者様の説明では、吻合部も問題なく、順調との事でした。
今後は外来の診察やエコーなどの検査で何か異状がみつからない限り、
もうカテーテル検査をすることはないとのお話でした。
その後、今まで本当に順調にきていますので、お話通りに
カテーテル検査はそれ以来受けていません。