小さな後悔

私が、出来る事はなんでもやりたいという欲張りだと以前書きました。
朝は4時半起き。夜は用事が全て終わってから寝る。
今出来る事は今やっておきたい。
決して後悔したくない。
そんな思いから欲張りになっていると書きました。
なぜ、そうなったのか?
それには理由があります。
悔やんでも悔やみきれない、小さな後悔が私の心の片隅にあって、
それがずっと私の中でチクチクと心を刺し続けているからです。


独身時代、私は会計事務所に勤めていました。
今のうちの顧問税理士さんはその時の同僚です。


以前、銀行へ行ったついでに近所の100円ショップへ寄ったことがありました。
その時に偶然、前の勤務先の所長さんに会ったのです。
眼帯をしておられたので、どうしたのかをお尋ねすると、転んで目を打って
それから具合が悪いとのことでした。
100円ショップは事務所から目と鼻の先でしたので、時々、
好きなカップラーメンなどを購入しに来ているとのことでした。
そして、一度一緒に食事でもどうか?と言われました。
今度連絡するからと言われてそのまま別れました。


数日後、同じ事務所で一緒に過ごした後輩の方からメールがきました。
以前ブログにも書いた(2009年6月6日)、ボーリングに誘ってくれた彼女です。
所長さんとその人と一緒に食事に行きましょうというお誘いのメールでした。
けれども、当時、仕事に追われていた私はとうとう時間を作ることができず、
後まわしにしているうちに、一緒に食事に行く機会を失ってしまいました。


今年、友達である税理士の彼から、所長さんの様子を聞かされました。
一緒に食事をしたけれども、所長さんはアルツハイマーにかかられ、
彼の事も誰かわからず、ただ、ボーッとしておられたとの事でした。
一言も言葉を発せずに。。。
それを聞いた時、とてもショックでした。
なぜ、あの時、無理やりにでも時間を作って所長さんと食事に行かなかったのか、
とても後悔しました。
近所だからいつでも会えるという軽い気持ちで先送りにしてしまったこと、
後悔しました。
もう、所長さんとお話できないのだと思うと、とても辛いです。


事務所に入りたての私はドジで要領が悪く失敗ばかりして、
所長さんによく叱られていました。
その私が結婚退職する時に、「残ってもらえないか」と言ってくださるぐらい
私を成長させてくださった事、感謝しています。
人間、一期一会。
その瞬間瞬間を大切にしないといけないのだと思い知らされた、
私の小さな後悔のお話です。