食について

近所のスーパーのワゴンに、お客様の商品をみつけました。
和菓子をつくっておられる中小企業さんです。
1パックの中に一口サイズの6種類の生菓子がちょこんと入っていて
とてもかわいらしいです。
そう、この6種類というのがミソです。


普通、スーパーに並ぶパックには、みたらし団子ならみたらし団子だけ、
焼餅なら焼餅だけが1パックに入っています。
種類の違うものを詰め合わせる事は、手間がかかりますし、コストもかかります。
その為、通常業者さんは嫌がって引き受けません。
でも今の時代、誰もしない事をやらなくては生き残っていけません。
お客様は薄利多売を覚悟されて、この商品を作ることを引き受けられたのでした。


工場ではパートさんが三交替制で24時間作業をされています。
社長様はほとんど休みなしで働いておられます。
その商品がまさかうちの近所のスーパーに置いてあったなんて
今日初めて知りました。


ところがです。
そのお話を主人を通じて聞いていた私にとってはショックな事がありました。
6種類の和菓子の入ったパックの横には、同じお客様の別の商品が
2パック300円の札を立てられ、さらには20%引きのシールを貼られて
山積みにされてあったのです。
それを見た途端、お客様の苦労はいったい何だったのだろう?と悲しくなりました。
居たたまれなくなって、思わず商品を手に取るとレジに並んでいました。


本来、お客様だって、買っていただくお客様に美味しいと喜んで食べていただきたくて,商品を作っておられると思うのです。
でも物が売れない今の時代、生き残りを掛けてスーパーの言う通りの商品をつくり、納品されているのだと思います。
お客様の顔が見えない分、どんな思いで作っておられることでしょうか。
せっかく作った商品が、ワゴンセールでまとめ売りされたり割引されて販売されていると知ったらどんなお気持ちになられることでしょうか。


売れ残った商品の内、どれほどの量の物が廃棄されているのでしょう?
地産地消』という言葉がありますが、
必要な分だけを作り必要な分だけを食し、残す事のないように、
食べ物を粗末にしないように、なんとかできないものでしょうか?
ちょっぴり気持ちが沈んでしまいました。