昔のビデオ

ここの所、夜なかなか寝付けないので、なんとなく昔録画したビデオを持ちだしてきて、夜なかに1人で観ている。
始めは息子が『銀狼怪奇ファイル』のビデオを見つけだし、観たと聞いたのがきっかけだった。
息子からビデオを受取り、毎晩1話か2話ずつ観ていた。
お布団に入りビデオをつける。
横では夫が寝ている。
夫にとっては安眠妨害になっていることだろう。


最近は夜ふかし大好きな息子も部屋にやってきて、二人で遅くまで観ている時もある。
銀狼怪奇ファイル』に始まって今は『金田一少年の事件簿』の第1シリーズを観ている。
当時息子は幼かったけれども一緒に観てたんだよと話すと
「俺、ようこんな怖いの観てたなあ。今やったら絶対こんなんあかんやろ?批判が来るんと違う?こんな残酷な場面ばっかりやったら」
と言っていた。


確かに残酷な場面が多く登場する。
なぜ幼い息子にそんなドラマを観させていたかというと、本人は覚えているかどうか知らないが、当時の息子は『KinKi Kids』が大好きだったから。
KinKi Kids』の登場する番組は残らずチェックして録画していた。
好きなビデオは飽きもせずに繰り返し見る子だったので、録画しておかないと大変だったのだ。
だから、ドラマの内容なんて全然知りもせずに単純に息子を喜ばせたかったという理由だけで観始めたのが事の真相なのだ。
観始めると私の方がはまってしまった。
はまった理由は、強い姉弟愛だったり、仲間の事を思ったり、家族愛だったり、愛する人の事を強く思う気持ちに魅かれたのだった。
『愛』ゆえに間違った方向へ走ってしまった悲劇にも涙した。


むしゃくしゃしたからとか、自分だけが不幸なのは許せないとか、ただ単に邪魔だからとか、意味のわからない理由で、簡単に人を殺す現代社会への警告が、10年以上も前に、このドラマ達によって問題定義されてあった事に改めて気付かされた。


銀狼怪奇ファイル』はその後起こった事件の影響などから再放送もされず、DVD化もされていない。
今となってはとても貴重なビデオとなってしまった。
録画した当時のまま、地震津波警報が日本地図と共に画面に点滅されてあったり、懐かしいCMもそのまま。
テレビではカットされてしまった場面もあるので、販売されたビデオの方がもっと詳しい内容が出てくるのだけれど、息子はそれを知らない。
できることならば息子にちゃんとした内容で見せてあげたいなあ。
残酷な場面が多くても、冴子と耕ちゃんの強い姉弟愛が大好きで私にとっては決して忘れることができない作品だ。
勿論銀狼が時折見せる人間らしい感情の揺れ動きも…。


『ミッドナイトシャッフル』のCDを久しぶりに聴いてみようかなあ…。