中小企業の社長さん

先日埼玉県でマンションの足場が倒れ、通りかかった保育園児2人が死傷するという痛ましい事故がありました。
亡くなられた子供さんは来月小学校1年生になる事を楽しみしていたとの事で、本当に胸が痛みます。
同じ親として御家族のお気持ちを思うと辛くなります。


それと、同じ現場での仕事を持っている立場の者としても、そういう事故のニュースを見るたびにヒヤッとします。
頭を下げられる社長さんの姿を見る度に、明日はわが身ではないかと心配になるのです。


うちも中小企業です。いえ、零細企業といってもいいくらいです。
従業員を現場に送りだす度に事故のないようにと願います。
従業員の身は勿論の事、お客様や周囲の方にも怪我のないようにと願うのです。


夫は社長の立場です。
この2月から日曜日の休みは無く、ずっと仕事をしています。
20日の祝日は現場も休みで、やっとゆっくりできると思っていたのですが、夫はずっと事務所で仕事に追われていました。
いったい、いつ休むのだろうと心配になります。
会社の責任は全て社長である夫にかかってきます。
でも、従業員はそんな事おかまいなしです。
たとえば、1月に現場でトラブルがありました。
電気の結線をした後、テストをして確認するという作業をせずに従業員が引き上げてしまい、その後、お客様から電灯が点灯しぱなっしになると電話がかかってきました。
なんという無責任な仕事をするのだと、お客様からお叱りをうけました。
金額的には大きな仕事の一部でしたので、その後の仕事が無くなってしまう可能性すらありました。
お客様の賢いところは、無責任な仕事をしたうちの従業員の前で、うちの社長に対してお叱りになった事です。
言い訳をせず、ひたすら頭を下げ、お客様に謝罪したうちの社長の姿を、その従業員はうなだれて見ていたとの事でした。
その後、その仕事は続けさせて頂ける事になり、お客様とうちの社長との関係も良好です。


いくら責任者である社長が注意しても、現場の人間が『慣れ』によって「これくらい大丈夫だろう」とか「面倒くさい」とかというような、いい加減な気持ちで仕事をすれば、トラブルにもなるし、最悪、事故だって起きるのです。
そしてその責任は全て社長にかかってきます。
従業員には何の責任もありません。
最悪、会社を辞めるくらいなものです。
でも、私達は会社に全てをかけてやってきました。
仕事が無くなり、会社が無くなるということは、たちまち生活に困ることになります。
被害を及ぼしてしまった相手に対して賠償もしていかなくてはなりません。
責任の度数が違うのです。


毎日従業員を現場に送り出す度に、ちゃんとやってくれるかと不安になります。
そのストレスはとんでもないものです。
世の中の中小企業の社長さんの中には、うちと同じようなストレスを抱えていらっしゃる方もおられると思います。
どうぞ、体を壊さないようにお仕事なさってくださいね。


そして働く皆さん、ちょっとした油断や過信が事故に繋がります。
責任ある仕事をしてくださるようお願いします。
プロ意識を持って仕事をしてもらいたいのです。
それは御自分の身を守る為でもあります。


そして、これから就職をしようとしている皆さん
仕事とはそういう厳しいものです。
チームワークでするものです。
自分勝手な判断でやってしまって、大変な事になってから後悔しても遅いのです。
報告・連絡・相談は基本中の基本。
どうぞ、心して就職活動をしてください。