2017年7月の読書記録

7月の読書記録を残しておきます。
毎年夏になると、『夏』や『戦争』に関する本が読みたくなります。
体調の優れない中、読書は私の支えでした。
婦人科に消化器内科と検査に検査を重ねましたが、まだ、原因がわかりません。
原因が分からないのが一番困りますね。
原因がわかれば対処のしようがあるのに…(p_-)



7月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:2981ページ
ナイス数:2081ナイス

玉砕の島々玉砕の島々感想
サイパン・グァム・ペリリュー・硫黄島そして沖縄ー。軍人も民間人も島民も大勢の犠牲を出した島々。玉砕を美化して国民に強いた旧日本国。捕虜となる事は恥だと教え込み、死ぬ事を美化して強制した戦前の軍事教育。悲劇としか言いようがない。軍の組織系統を全く知らないので師団とか連隊とか出てきてもさっぱりわからないので調べるのももどかしかった為、その辺は無視して事実を追いかける事に集中しました。なかでも馬術で金メダルを取った西竹一男爵と愛馬ウラヌスの話にはホロッときました。表紙はゼロ戦。今は海の中で静かに眠っている…。
読了日:07月31日 著者:平塚 柾緒
夏の記者夏の記者感想
新都新聞の夏の記者に選ばれた小学5年生の佳代。なかなか記事を書く事が出来ずに困っている所にある事件を目撃する。その事件を追っていく内に、苦手だった同じ夏の記者の純子と仲良くなり、一緒に事件を追う事に。真実は必ずしも人を幸せにはしない。時には酷く傷つけてしまう事もある。けれども、それでも真実を報道するのが新聞の役目ではないのか?それを見た人たちに考えてもらう事が大切なのではないのか?子どもの素直で真っ直ぐな思いと大人の事情。面白かったです。考えさせられました。
読了日:07月27日 著者:福田 隆浩
蜘蛛の糸 (280円文庫)蜘蛛の糸 (280円文庫)感想
病院で順番を待っている間に読了。「鼻」「芋粥」「蜘蛛の糸」「杜子春」「トロッコ」「蜜柑」「羅生門」の7編。巻末の三浦しをんさんのエッセイが面白かった。確かにこの作品群、違う見方をすれば仰るように芥川龍之介が上から目線で書いているように解釈できる!へぇ〜そんな見方が出来るのか!とちょっと新鮮でした。そして一番好きな作品が「蜜柑」との事。「蜜柑」には希望がある。そうですね。見逃してしまいがちな美しいもの、尊いものを見逃さない。「蜜柑」の最後の一文には希望と救いが感じられます。
読了日:07月26日 著者:芥川龍之介
八月の光八月の光感想
8月6日、広島に落とされた原子爆弾。その日の「雛の顔」「石の記憶」「水の緘黙」の3つのエピソード。実在のモデルがいらっしゃいます。「石の記憶」の石段に残った黒い影は広島の原爆資料館で昔見ました。切ない。悲しい。苦しい。作者が書いていらっしゃいます。「物語の中の少年少女たちは過去の亡霊ではない。未来のあなたであり、私でもある。だからこそ私たちにできることは記憶すること」本当にその通りだと思う。
読了日:07月25日 著者:朽木 祥
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たちうつヌケ うつトンネルを抜けた人たち感想
鬱にも色々あるのですね、そして何度も繰り返すなんてしんどいなあ。結構有名な人が鬱を患っていらっしゃった事を知ってちょっと驚きました。コミックで読みやすくてわかりやすかったです。鬱を経験した人の鬱のトンネルを抜けた体験談なので、全ての人に当てはまるわけではない。そこのところは気を付けないといけないけれども、参考にはなると思う。苦しんでいる人の希望になればと思う。
読了日:07月24日 著者:田中 圭一
りすが遊びにやって来る森のカフェの12ヶ月りすが遊びにやって来る森のカフェの12ヶ月感想
北海道にある森のカフェ。猫が6匹。カフェには森のリスや狐もやってきます。猫達は広いお庭を散歩したり飛び回って遊びます。四季のお庭の美しさといったらありません。そこに猫やリスや狐の姿もピッタリとおさまり、まるで美しい絵のようです。ケーキやクッキーなどのスイーツも綺麗で可愛らしくて美味しそうですが、置かれてある家具や食器類もみらいさんのセンスの良さが現れています。文末にはスイーツのレシピも。濃厚プリン美味しそう。プリン好きにはたまりません。作ってみようかな?【(^ΦωΦ^) 猫と読書(^ΦωΦ^) 】にて読了
読了日:07月22日 著者:もも と みらい
99のなみだ 雨―涙がこころを癒す短篇小説集 (リンダブックス)99のなみだ 雨―涙がこころを癒す短篇小説集 (リンダブックス)感想
「臨時ダイヤ」「空を見上げる」「プレゼント」「ラララのうた」「親愛なる彼女へ」「わだち」「夏の思い出」「思いは湯のごとく」「弟が嫌いだ」「リュウといっしょ」「いちご泥棒」「ガニ股選手団」の12編。「臨時ダイヤ」は好みでした。「夏の思い出」は同じように中小企業を経営している身としては辛かった。「リュウといっしょ」はそんな簡単に保健所へ連れて行かないでよ!と憤りながら読んだ。思い直してくれて良かった。今回は涙が出る事よりも心苦しい作品の方が多かったように思う。
読了日:07月21日 著者:リンダブックス編集部
黒い雨黒い雨感想
夏がくるといつも戦争や原爆の本を読みたくなります。戦争を知らない世代だからこそ、決して忘れてはいけないし、後世に伝えていかなくてはならないと思います。『黒い雨』は中学生の時に読んで以来でしたので、忘れている部分も多かったです。読み進むうちにああ、そうだった、こういうお話だった、と徐々に思い出しました。たった一発の爆弾で全てが変わってしまった事。あんな恐ろしい物はこの世に絶対必要ありません。二度と悲劇が繰り返される事のないように努力しなければと思います。
読了日:07月19日 著者:井伏 鱒二
なつのやくそくなつのやくそく感想
とても可愛らしいお話でした。表紙のひまわりが好きです。オコジョも可愛らしい。羊の大切な毛を風に飛ばしてしまったオコジョ。必死にかき集めておばあさんにお願いして綺麗にしてもらって、その一生懸命さがいじらしかったです。そして怒ってしまった羊も反省してオコジョに謝る為に探しに行く姿も良いなあと思いました。お互いがお互いを思いやる姿が微笑ましいです。いつまでも仲良くね。二人がかわした夏のやくそくもきっと果たされる事でしょう。
読了日:07月16日 著者:亀岡 亜希子
99のなみだ・蛍―涙がこころを癒す短篇小説集 (リンダブックス)99のなみだ・蛍―涙がこころを癒す短篇小説集 (リンダブックス)感想
「六十二歳のカップラーメン」「エンディングノートはじめました」「六月のブックマーカー」「代理友人席」「夏の親子新聞」「幸せの花」「ヒバリ」「空飛ぶペンギンの友だち」「最後のプレゼント」「何者か」「四通目の手紙」「娘の部屋」12編。今回は涙ぐむようなお話はなかった。全般的に良い話にはなっていると思う。その中でも「エンディングノートはじめました」「六月のブックマーカー」「幸せの花」「ヒバリ」「何者か」はちょっと心に残った。文句も言わずに真摯に人生に向き合って来られた方の言葉は重い。
読了日:07月14日 著者:リンダブックス編集部
好奇心ガール、いま101歳: しあわせな長生きのヒント (小学館文庫)好奇心ガール、いま101歳: しあわせな長生きのヒント (小学館文庫)感想
日本初の女性報道写真家。とても明るくて溌剌とされている素敵な方だなと思いました。義母と考え方が似ている所があり、絶対義母と話が合うに違いない!と思いました(笑)是非義母にも読むように薦めてみようと思います。又絵を描かれていたとの事で、長野県上田市の「無言館」が出てきた時は運命を感じました。以前「ラジオ文芸館で語りましょう」コミュニティの久生十欄作「生霊」のトピックで「無言館」の事を知っていたからです。いつか行ってみたいと思っていた場所でした。苦労を顔に出さずに笑って面白がって生きる事。素敵です。
読了日:07月12日 著者:笹本 恒子
挫折を経て、猫は丸くなった。: 書き出し小説名作集挫折を経て、猫は丸くなった。: 書き出し小説名作集感想
表紙を見ただけで手に取ったので、てっきり猫が出てくるお話だとばかり思っていました。違っていました。書き出し小説名作集と書かれてあるのに全然気が付かず早とちりもいいところです。書き出しだけでも、その後を読者に想像させるなんて面白いですね。実際、吹出してしまったものや、その後が気になって妄想してしまった作品がありました。面白かったです。
読了日:07月10日 著者:
写真集 鳥の巣 50個の巣と、50種の鳥たち写真集 鳥の巣 50個の巣と、50種の鳥たち感想
50種類の鳥の巣。鳥の写真はなくてイラストのみ。あくまでも鳥の巣と卵が主体。いろんな巣の形があって面白かったです。中には動物の骨や頭蓋骨まであってちょっと驚きました。蜂の巣を再利用したものもありました。人間の日用品を使っているものもあり、鳥たちの逞しさも感じられました。でも、やっぱり、ここでも、人間のせいで絶滅の危機に陥っている種がある事に申し訳ない気持ちになりました。どうか、滅びないでと願うばかりです。【(。・ө・。)酉年に鳥本を読もう】イベント25冊目
読了日:07月09日 著者:シャーロン・ビールズ
作家の住まい (コロナ・ブックス)作家の住まい (コロナ・ブックス)感想
様々な作家、画家、作詞家、作曲家などの芸術家の住まいの写真集。興味深かった。NHKの朝ドラのモデルとして登場したVANの石津謙介氏の住まいは面白かった。トイレに扉がないのだ。私ならどうにも落ち着かない。安井かずみさんの住まいも印象的だった。中央に浴室と厨房がある。その周りに部屋がある。厨房が真ん中というのは良いけれども浴室も真ん中とは驚いた。水回りを中央に集めた点では合理的と言えるけれども。どの住まいも各人のこだわりがあって面白かった。
読了日:07月05日 著者:
3月のライオン 8 (ジェッツコミックス)3月のライオン 8 (ジェッツコミックス)感想
宗谷名人と対局した桐山君。負けてしまったけれどもとても心に残る対局になった。しかも台風の性で一緒にホテルに泊まる事に。宗谷名人の秘密を知ってしまったわけだけれども、『ストレス』は納得できた。これまでに登場した棋士の皆、物凄いストレスと闘いながら対局している。体調も崩すだろうし、精神も病むだろうなあ。そんな中あかりさん達姉妹にはほっこりします。清涼剤ですね。
読了日:07月03日 著者:羽海野 チカ
世界中の青空をあつめて世界中の青空をあつめて感想
祖父の手紙を受け取り、祖父が「不義理をしてしまった」と悩む姿に心を動かされ、和樹は東京へ向かう。かつて夢を抱いて暮らしていた街。そして夢破れボロボロになって故郷へ戻らざるを得なかった街へ。東京オリンピックに絡め、祖父の過去が次第に分かって行く様は面白かった。ただ、案外簡単に巡り合っていくのはご愛嬌という事で。結局和樹は何歳位だったのだろう?どの位の年齢で初心者で棒高跳びって出来るものなのかしら?とちょっと疑問に思った。まあ、最終的には皆幸せそうなのでいいのですが…。
読了日:07月02日 著者:中村航

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