働く喜び

昨夜、テレビで日本理化学工業さんの事について放映されていました。
養護学校の先生に頼み込まれて、知的障害者の少女を2週間だけという約束で会社に受け入れた大山氏。
慣れない手つきでラベル貼りを一心不乱にする少女達。
最初はうまくできなかったけれど、だんだんと慣れていき、上手に貼れるようになっていきます。
最終日には社員さん達が自分達が面倒をみるから雇ってやってほしいと頼んできます。
少女達はどんなに先輩社員に怒られようとも、決して落ち込んだり、会社に来なくなったりはせず、
ただ、黙々と作業に励み続けました。
その姿を見て大山氏はある法事でお坊さんに尋ねます。
どうして彼女達はそこまでして働きたいのでしょうか?と。
お坊さんは答えます。
「人間の究極の幸せは、愛されること、褒められること、役に立つこと、人に必要とされることの4つです。愛されること以外は、働いてこそ得られます』と。


この言葉を聞いて私はハッとさせられました。
働く喜び、なんて大切な事を私は忘れていたのだろう?と。
いつの間にか、会社を守る為、発展させる為、家族を守る為だけに仕事をしていたように思います。
ただ、義務のように感じながら日々仕事をしていたように思います。
本来、人間は働く喜びというものを求めていると思うのです。
でも、昨今はなんだか違うように感じます。
お金を稼ぐ為、セレブと言われる生活をしたい為の人もいれば、
とにかく食べる為と住む場所を得る為という人もいます。


いくらコンピューター化が進み、仕事のスピードが速くなっても、
相手にしているお客様は人間です。
人間同士のコミュニケーションなしでは、働く喜びも、役に立っているという喜びも
人に必要とされているという喜びも感じる事はできないと思います。
機械の為に仕事をしているわけじゃない。
人間の為に、人間の生活をよりよくする為に、人は仕事をしてきたのではないのでしょうか?


ただ、利益を追求して安い賃金の人を雇う為だけに海外へ工場を造る大企業ではなく、
国内で働く喜びを共に感じながら努力を続けている企業にこそ、
政府はもっと援助をすべきではないでしょうか?