夜の来訪者

昨夜遅くに一人の来訪者がありました。
1年前、うちの会社の代金を踏み倒した仕事仲間です。
最近、ある会社に契約社員として勤めだしたと
風の便りに聞いたので彼の会社と自宅に文書を送っていました。
分割で支払っていくという約束が全然果たされていないうえに
何の音沙汰もない為、私が社長には内緒で独断でした行為です。


それを知らずにうちの社長(主人)も又彼に電話を入れていました。
そして昨夜、うちの会社へ彼が来ることを約束をしていたそうです。


踏み倒された分の内、下請さんへの支払いは1年をかけて80%終わりました。
それでも、下請さんに迷惑をかけたことに変わりはありません。
皆に頭を下げまくってきた1年でした。


苦しい中やりくりしたきたことで、色々な事がわかってきました。
昨夜、彼にも言ったのです。
あなたには別の意味で感謝している、と。
なぜなら、うちが苦しい立場にたった時、
黙って陰ながら援助をしてくださった方、
今まで仕事をたくさん渡してきたのに、その事には一切触れずに
ただ、早く代金を支払えと暗に圧力をかけてくる方、
それぞれの人間性や、うちの事をどう思っていたのかを
知ることができたからです。
それによって、今後おつきあいしていく得意先や仕入先の見極めが出来ました。


夕べ、泣きながら彼に訴えました。
一緒に仕事をしてきた仲間なのに、どうして、もっと腹を割って本当の事を
言ってくれないのか?
どうしてもっと相談をかけてくれないのか?
仕事仲間だと思ってくれていなかったのか? と。


少しは彼に通じたでしょうか。
同じ中小企業仲間、このしんどい時代にお互いに手を取り合って
協力してやっていくことがなぜできなかったのか?
つらいのです。


お金がないから、会社を倒産させることも自分自身が自己破産する事も
できないのだと彼は言いました。
奥さんの実家に親子3人身を寄せて暮らしているとの事。
そして何よりも、彼自身のお母さんが、たった独りで
暮らしていらっしゃる事が私には辛いです。
そのお年で、会社兼自宅を追い出され(会社の建物は差し押さえられています)
たった独りで暮らさなければならないなんて。。。


うちだって吹けば飛ぶような小さな会社。
明日はわが身。
身につまされるのです。