モノの見方〜その2

思い込みの激しい人ほどやっかいなものはありません。
自分の価値観にしばられ、自分が一番だと思っているから
色眼鏡で人を見て判断し、己の考え方を押し付ける。
周囲の人は振り回されてとても疲れてしまいます。
と、こんなことを書いている私自身も又
思い込みの激しい人間でした。
いや、今でも、少しその部分は残っていると思います。
やっかいなことです(苦笑)


モノにはいろんな見方があると、前回も書きました。
たとえば、今、うちの会社ではパートタイマーの事務員を募集しています。
履歴書が送られてくるのですが、その封筒にもいろんな見方ができます。
ある人は長形4号(B5サイズ)の封筒で送ってきます。
ある人は定型外のA4サイズの履歴書を折らずに入る封筒で送ってきます。


前者の場合、履歴書を折って送ってくるとは非常識な人だと思われる場合があります。
後者の場合、パートの履歴書を送るのに大きな封筒に入れるなんて、
定型外の料金がかかるのにそんな計算もできないのか?と思われる場合があります。
皆さんはどう感じられますか?


うちの場合は、
前者の場合、仕事を探していらっしゃるのだからお金をかけない努力をされているのだと思い、そういう細かい点に気がつく人なのだろうと思います。
後者の場合、大切な履歴書だから折ってシワの寄らないようにと、気を遣われたのだろうと思います。
どちらも善意に解釈します。
要は、その人その人で見方が違うだけに過ぎません。
でも、そんな『見方』の為に、書類選考(履歴書)の段階で落とされる場合があります。
現実問題としては厳しいですよね。
全人格を否定されたわけではないので、単純にご縁がなかったものと
思う方が気が楽ですし、気持ちを切り替えて次を目指せばどうでしょうか。
   ↑
(これは半ば就活中の息子へのエールです)


モノの見方は様々だと私に気づかせてくれたのは、A君でした。
発達障害をかかえる彼は、
私達の思いも寄らない言動をして、しばしばぶつかりました。
私達にとっては普通の事でも、彼にとっては普通ではない。
その事に気づくまでかなり時間を要しました。
結局、理解するところまではいきませんでした。
一緒に仕事を続けてきた中で、
こういう言い方をすれば彼に通じるという
方法論を見出したにすぎません。


でも、世の中にはいろんな人がいるという事。
いろんな価値観があるという事。
自分の見方が一番正しいというわけではないという事。
話し合って最低限度のルールを作り、それを守るという事。
それが大切だと。
そんな貴重な経験をさせてもらったと思います。
感謝です。


今月末をもってA君はうちの会社を去ります。
彼の新しい人生に幸あれ。