晴れの日に雨傘

以前NHKで放送された『ハゲタカ』というドラマの中で、
元旅館の息子が工事現場で雨の中、働いていると、
彼を知る銀行員が傘をさしかけるシーンがありました。
父が経営していた旅館を見限った銀行の行員であるその人に向かって、彼は、
「親父が、銀行は晴れの日に傘を差し出して、雨の日にとりあげると
言っていたが、へぇ、今日は雨なのに傘を貸してくれるんだ」
と言い放ちます。


このシーンを見て、全くその通りだと思いました。
中小企業に冷たいのが銀行です。


バブルの景気のいい時は、銀行員は自分の成績のために、
借りてくれと執拗に言ってきて、
馬鹿な私達は、必要も無いのに、今後の為にと、
つきあい重視で借入を起こしたりもしました。


でも、結局、担当者が転勤になったり、今のように不景気になると
(建築業界は不景気です)途端にそっぽを向かれます。
あんなに、借りてくれと言って貸し出したお金を、
ともすれば、早く返せといわんばかりの態度です。
バブルの好景気の時の高い金利で、二十数年という長い返済期間、
しかも、先代の作った借入金を、滞ることなく、
真面目に返済している中小企業に対して、
そんな態度しか取れない銀行を許せません。


とにかく数字が全ての社会になってしまっていて、
過去の実績や今後の見通しなど、何の役にも立ちません。


リーマン・ブラザーズの経営破綻は、私は良かったと思っています。
もう、いいかげん、マネーゲームは終わりにして欲しいです。


真面目に働いて、余裕のある環境で落ち着いて仕事が出来て、
そうして真面目に得た利益を社会に還元して、
従業員さんにお給料を払って、皆が心に余裕を持って真面目に暮らしていく、
そういう普通の状態、本来あるべき社会と人の姿に戻ってほしいと思います。