『命の詩』とある少女の事

昨夜、テレビで『復活の日』という番組を観ました。
洗濯をしながらでしたので、最後の方は観てないのでどうなったのかはわからないのですが…。
病院に長期入院しながら、院内学級に通う子供達の事をやっていました。
そして、その番組中に宮越由貴奈ちゃんが書いた命の詩が出てきました。


宮越由貴奈ちゃんは5歳の時に「神経芽細胞腫」を発病。5年半の闘病生活の末、98年に11歳で亡くなった。由貴奈ちゃんは亡くなる4ヶ月前に院内学級の授業中に「命」という詩を書いた。その詩はかけがえのない命の大切さを訴え、「自分の命も人の命もたいせつにしよう」というメッセージを送り、テレビドラマにもなった。彼女の詩は今も教室に飾られ、そこで生き続けている。
  〜毎日放送http://www.mbs.jp/pgm/tbs_fukkatsu/より抜粋


子供達の姿とこの『命』という詩を見て、ある少女の事を思い出しました。


30年前、大学の夜間部に通いながら、アマチュアのミュージシャン活動をしている方と知り合いました。
やがて、その彼が足しげく通っている場所がある事を知りました。
そこは病院でした。
血液のガンと呼ばれた病と闘っている、ひとりの少女を励ます為に通っていたのでした。


少女は双子の妹さんから骨髄移植を受けましたが、結果は芳しくなく、無菌室で過ごしていました。
日々悪化していき、苦しむ姿を見ていた彼は、ある日、私に言いました。
「同じ17歳やのに、えらい違いやなあ。片方は生きるか死ぬかの病と闘い、片方は高校生活を楽しんでいる」と。
当時の私はその言葉に反発しました。
(私にどうしろと言うの?その少女と同じように病気になれとでもいうの?かわいそうだけど、彼女は彼女、
 私は私。身代わりにはなれない。今ある現実を受け止めるしかないのに)と。


やがて、少女は天に召されました。
彼は大学卒業後、しばらくは銀行勤めをしていましたが、プロへの夢を追う為に、会社を辞めて上京して行きました。


今、少女の双子の妹さんとミュージシャンを目指した彼はどうしているのでしょう?
ふたりともこの世界のどこかで、幸せに暮らしていてほしいと、そう思いました。
そう強く願っています。