モノは言いよう

大昔のお話です。


義父が働き盛りの社長だった時代。
職人さんがたくさんいた、古き良き時代のお話です。


お客様から修理の依頼が入りました。
とてもお困りだろうと職人さん達がすぐにかけつけました。
ところが
「こんな忙しい時間に来て何考えてるねん!」
と怒られて追い返されてしまいました。


又ある日、別のお客様から修理の依頼が入りました。
職人さん達が駆け付けると
「いやあ、ごめんね。今忙しなってしもうたから、ちょっと1時間程どこかでお茶でも飲んできて!ごめんねぇ〜」
とおっしゃって、お茶代を差し出されたそうです。


後者のお客様から、以後、別の依頼があった時、職人さん達は喜んで出かけていったそうです。
別にお茶代が欲しかったわけではありません。
自分達を大事にしてくれる、お客様の気持ちが嬉しかったのです。