想い

今日は、『想う』日でした。                                     
朝、図書館に着くと、物凄い風と大雨になりました。
まるで嵐のようでした。
その様子を眺めながら、これは、S君の涙だと思いました。
もっと生きたかったであろうS君の悲しみと悔しさの涙だと思いました。


そうなんです。
今日はS君の一周忌でした。
あれからもう1年だなんて…。



昨夜、息子と話しました。
息子の誕生日がS君の四十九日でしたし、私の誕生日が一周忌だなんて、やっぱりS君とは縁があるのね、と。



物思いにふけっていると携帯がなりました。
サイレンスにしてあったので、慌てて図書館の外に出て、電話に出ました。
夫からでした。
あまりの暴風雨の為、車で迎えにきてくれるとの事でした。
迎えに来てくれた夫の話によると、夫は車で息子を会館まで送ったそうです。
その帰りに私に連絡してくれたのでした。



夫も又、S君の事を想っていました。
別にわざわざ息子を送っていく必要はなかったのだけれども、なんとなくS君の傍に行ってやりたい気持ちが働いたように思うと…。
だから、そうしたような気がすると…。



帰宅した息子の話によると、S君の御両親は、前に進めていないようでした。
時計は止まったままのようでした。
とても気持ちの重い一周忌だったと息子は話してくれました。



息子が頂いてきた品々を片付けながら、義母も又S君の事を想っていました。
「S君の所から頂いたものばかり。可哀想に…」
と呟いていました。



S君の一周忌のお下がりのお菓子を食べてお茶をしました。
その後、息子は、M君の所へ出かけていきました。
M君は、この春専門学校を卒業して就職し一足早く社会人になり、独り暮らしをしています。
親御さんが転勤で関東地方へ行かれてしまい、こちらで就職が決まったM君は独り残ったのです。
その為、息子は度々M君の所へ泊りに行っています。
この2人が仲良くしている事が何よりの救いです。



先日、不思議な事がありました。
夕食時、食べ終わった夫にお茶を入れてだした後、私はまだテーブルについて食事をしていました。
すると、右肩をトントントンと指でたたかれました。
掌でポンポンとではなく、指でトントントンと…。
夫がまだ何か用事があるのかと思い、振り向くと、丁度夫が右手にテレビのリモコン、左手に湯飲みを持って立ち上がるところでした。
私が見たものですから、夫は「え?」という顔をしました。
「何か用事?」
と尋ねると、不思議そうな顔をするので、「今、私の肩をたたいたでしょう?」と言いました。
「いいや、俺の両手ふさがってるのに、たたけるわけないやろ?」と言われてしまいました。
でも、確かに肩をたたかれたのです。
こっちを向いてよというように、軽く指でトントントンと。
あれはいったい誰だったのでしょう…。




   アリガトウ…