犬、猫、小鳥

よく、犬派、猫派という言葉を聞きます。
犬が好きか猫が好きかという事なのですが。
私はどちらかといえば猫派の方です。
そして、そこに『小鳥』を加えてもらえるのならば、猫よりも小鳥派です。
小学生の頃から嫁ぐまでずっとセキセイインコを飼っていたので、
ペットショップなどでセキセイインコを見かけると、そこでじっと見つめていたくて
動かなくなってしまいます。
雛がいたりしたら、もう、それこそ飽きずにずっと見つめています。
(飼いたいなあ)と心の中で思いながら…。


セキセイインコのあの陽気なさえずりがとても好きでした。
中にはやかましいと思われる方もおられると思いますが、私は本当にとても好きでした。
結婚して間もない頃、主人の親戚の家を訪ねた時、そこのお宅が文鳥を飼っておられました。
私は思わず、籠の傍に寄っていき指を近づけました。
親戚の伯父様は
「嘴がきついさかい、かまれるで。わしはいつもかまれてるから。」
とおっしゃいました。
けれども、文鳥は私の傍に寄ってきて首を向けました。
私はその首を指で掻いてあげました。
小鳥が可愛くて仕方がないという、私の気持ちがわかったのでしょうか。
伯父様は驚いておられました。


息子が小学生の頃、動物と触れ合える場所によく行きました。
息子はすぐに犬の傍に寄って行きます。
私は猫の方へ行きます。
そこは猫を抱き上げる事を禁じていましたので、私はベンチに腰掛けて猫達を眺めていました。
すると、1匹の猫が寄ってきて私の膝の上に飛び乗ると、気持ち良さそうに眠ってしまいました。
しばらくすると、幼い女の子がやってきました。
私の傍に寄ってくると、
「猫を抱いたらあかんのやで」
と言いました。私は、その子が猫を抱きたくてしょうがないのだと思いました。
「猫ちゃんが飛び乗ってきて眠ってしまったのよ。撫でてみる?」
と声をかけました。猫を動かすと起きてしまって逃げてしまうかもしれません。
だから、せめて、触らせてあげたいと思ったのです。
女の子はそっと猫を撫でました。
やがて猫は目を覚ますと、膝から飛び降りて行ってしまいました。
女の子はその猫の後を追いかけていきました。
息子はどうしているかと振り返ってみると、犬と遊んでいるというよりは、
犬に遊ばれている状態になっておりました。
たくさんの犬にのしかかられて舐めまわされておりました(;^_^A


私は幼い頃、犬に襲われるという恐ろしい体験をしました。
背中に怪我をして両親に病院へ連れて行かれました。
両親は狂犬病を心配しましたが、幸いそれは大丈夫でした。
この体験は私の心に、犬は恐ろしいものだという大きな傷を残しました。
しつけの行き届いたおとなしい犬ならば、近づくこともできますが、
やたらに吠える犬は、襲ってきた犬の事を思い出すので近寄れません。
小さな可愛い犬でも、吠える犬には眺めるだけであまり近づくことはしません。
飼い主が傍にいて、しっぽを振ってよってくれば撫でる事はしますが…。


いくら犬を可愛いと思っても、ある一線から先へは近づけない、
これも又、私のトラウマの一つといえるかもしれませんね。