負の連鎖

最近の義母は少し気持ちが不安定です。
義母の気持ちの落ち込みの原因は、女学校時代のご友人に言われた『言葉』によるものです。


お友達は電話で、不機嫌な様子で、義母と共通のご友人のご主人に対する不満を並べ立てたそうです。
それから、話は御自分の身内に対する愚痴に変わっていきました。
そして、話を聞いてくれていた義母に対してこう言われたそうです。
「あんたは家族から大事にされているからええやんか」と。


義母はがっくりきたそうです。
義母の頭の中では、女学校時代のはつらつとしたそのお友達の姿があります。
ところが、身内(息子さんのお嫁さんやそのお孫さん)についての事や、
友達のご主人についての事で、支離滅裂で悪意に満ちた言葉を発する姿との
ギャップに落ち込んだそうなのです。


義母は普段は明るい性格の人です。
けれども、義父が亡くなってからは時々気分が落ち込むという、不安定さを持っています。
そんな不安定な義母に、ネガティブな言葉が投げつけられた事と、若い頃のお友達の姿とのギャップで
気持ちが沈んでしまったのです。


心が健康な人ならば、受け流すこともできるでしょう。
でも、不安定な人は気持ちが引っ張られてしまいます。
誰かが落ち込むと、周囲も気を使う為に、家の中の雰囲気が暗くなります。


たとえば、食事時の事。
皆食べ終わってテレビの傍へ行ってしまい、義母一人でまだご飯を食べていました。
私は食べ終わった家族の食器を洗い桶につけていました。
すると義母が
「これ、みんないらんねんけどな」
と、おかずやお漬物の入った器をお箸で差しました。
さも、こんなものいらんと思っているようにしかめ面をしながら…。
私は思わず
「まだ食べてはるのに、片付けたら、せかしてるみたいで、いやらしいですやん」
と言ってしまいました。
すかさず、主人が
「俺らは嫌やけどな。まだ食べてるのにおかずを片付けられたら」
と助け舟をだしました。


又、私達3人で出かけて帰宅した時の事。
以前からブックスタンドとマスクを頼まれていたので、購入してきて義母に渡しました。
義母は
「なんや、それやったらもっと色々買ってきてほしい物があったのに。どこへ行くか知らへんかったから」
と言いました。お礼の言葉の一言もなく…。
すかさず今度は息子が
「出かける前にコーナンへ行くって言うたやんか」
とフォローしてくれました。
義母は、そんな事言うてたか?というような怪訝そうな顔をしていました。


万事がこんな調子で、義母の様子が変なのです。


でも、義父が亡くなった直後の不安定さに比べればまだましです。
あの時は、本当にもっと不安定で、一番文句の言いやすい私にきつくあたられたので…。
あの時よりはましと思う事にして、今しばらく、様子を静観する事にします。