カミングアウト

息子が自分のブログで、自分の病気の事をカミングアウトした為、
私も昨秋のブログで病名について触れました。
その事によって、大分と大阪の、息子と同じ病気の子供さんのいらっしゃる方から
コメントをいただきました。


息子が自ら語るまでは絶対、私からは触れないつもりでした。
お二方のコメントを息子に伝えたところ、照れていました。
横で聞いていた主人も、奇跡のような存在なんて言っていただいて気恥ずかしいと
申しておりました。


息子の病状で、もし、主人の時代に生まれていたら、助からなかったと思います
と医師に言われました。
そうです。
実は主人も先天性心疾患なのです。
主人は心室と心房の両方に穴が開いていました。
当時、心臓手術はまだ成功率が低く、ただ、死を待つだけという事も多かったそうです。
主人の病状なら、今なら赤ちゃんの時に簡単に手術できたと思います。
けれども、当時はその技術がなく、結局、12歳の時に一か八かの勝負に出て、手術を受けることになりました。
このままでいれば18歳で寝たきりになると言われ、人様のお世話にならなければ生きていけないのならば、手術を受けて、それにかけてみようと
主人の両親は決意したそうです。
そして、まだ12歳の子供の主人に、手術を受けるかどうかを尋ねたとの事。
主人は元気になれるのなら、と手術したいと答えたそうです。


手術を受ける予定だった方が熱を出した為、急遽主人に手術の順番がまわってきました。
当日、主人ともう一人のお子さんの手術が行われました。
手術は成功し、1週間後には主人は歩けるまでになりました。
ところがもう一人のお子さんは亡くなられてしまいました。
そして、熱を出して手術を受けられなかった方も、様態が急変しお亡くなりになりました。
夜中に急変し、その方がベッドごと運ばれていく姿を偶然目撃し、
亡くなられた事を聞いた主人は、子供心ながら、なんだか自分の身代わりになられたような
気がして罪悪感を持ったそうです。


息子が先天性心疾患とわかった時、主人は、自分は子供を作らない方がいいのだろうか?
と苦悩しました。
お医者様に、先天性心疾患は遺伝するのかと尋ねました。
お医者様は
「先天性心疾患のお母さんが13人の子供を産みましたが、13人とも健 常児でした。
 又別の先天性心疾患のお母さんが3人の子供を産み、3人とも先天性心 疾患だった場合もありました。正直、今の段階では遺伝とは言い切れな いのです。
 遺伝子だって間違うことがある。たまたま人間の体を形成する時に間違 ってしまっただけと思うようにして、そんなに深刻に考えないように」
とおっしゃいました。


又、私が母乳が止まってしまった事を嘆いていると、看護師さんが
「生後4ヶ月まで母乳が飲めていたのなら大丈夫ですよ。
 お母さんの免疫をしっかりもらっていますし、それに少し離乳の時期が 早まっただけと 思えばいいんですよ」
とおっしゃってくださいました。
お医者様も看護師さんも皆優しい方ばかりで、救われました。


息子の事に触れる前に、まずは主人の事から書く事にしました。
昔の事、思い出しながら書いていこうと思います。