人が使い捨てにされる時代への危惧

秋葉原の事件の時、印象に残ったのは、加害者の勤め先の広報の方が、まるで『ひとごと』のような態度で取材を受けていた姿です。
自社の社員が起こした重大事件という認識を持っておられないように感じました。
派遣社員だから?でしょうか。



最近、企業が即戦力を望むあまり、正社員ではなくて、派遣社員等の、必要な時だけ使う戦力を望んでいる姿が気になります。
アルバイトやパートも然り。
人を人として見るのではなく、その能力だけを利用しようという、ずるがしこい姿に見えるのです。
まるで、使い捨ての物のような扱いです。
又、正社員の方も、自分の身を守ることに精一杯で心に余裕がなく、派遣の方やアルバイトの方が少しでもミスをすると、
自分の身を守ろうとして、その方達のせいに全部してしまうようなところが見受けられます。
そこには、共に働く仲間意識や愛社精神などはまるでありません。
人を人として見て、仕事や社会常識を教え育てて、愛社精神や仲間意識を育てていく姿が、昔の企業にはあったように思います。
【企業は人なり】という言葉はもう死語なのでしょうか?
部下のミスは自分のミスとして、真っ先に頭を下げる上司の姿が昔はありました。
そして、そんな上司を見て、部下は学んでいくのです。
いい意味での仲間意識、連帯意識です。



昨今の個人主義は、日本の本来のいい姿を奪っていきました。
家族の為、共に働く仲間の為、悪いことはできない、裏切ることはできない…そういう犯罪抑止力が働く環境を奪っていってしまったのです。
自分さえよければ、人はどうでもいい…そんな精神が見え隠れして、とても、心苦しいのです。