馴染み

今まで忙しくて、こちらが声をかけてもろくに動いてもらえなかった
メーカーや協力先が最近すごーく丁寧になった。
代理店を中心に活動していたメーカーが、代理店を跳び越して
直接私達のような末端の零細企業にまで、自社の商品の売り込みにやってくる。


又、こんな事ができないだろうか?という問い合わせにも
メーカーはとても丁寧に対応しだしている。
以前なら部署が違うとたらいまわしにされた挙句、結局何の対応もしてくれなかった所がだ。


この変わりようには驚くと共に呆れてしまう。
不景気で仕事が減って必死なのだろうが、もっと前からちゃんとした対応をしてもらいたかった。
急に来られても
「今更何?」
とこちらも冷ややかな対応しかできない。
「社長に渡しておきます」
儀礼的にカタログを受け取るだけの対応しかできない。
残念だけど。


反対に今まででもちょくちょく顔をだして、気軽に相談に乗ってくれた仕入先などは
可愛げがあるので、ついつい何でも頼んでしまう。
人間、やっぱり普段からの馴染みが大切だと思う。
少なくとも私はそう思うし、そういう対応をしてしまう。

今の時代はそんな『馴染み』よりもクールに数字だけがものを言うという対応をされる所もある。
実際、あるお客様は古くからの馴染みよりも価格の安い方に仕入先を変えていかれている。
2代目に代わられてからそういう経営をされるようになられた。
古くからの所には難題や小額のものしか頼まない。
大口の注文は安くて最近取引しだした所へ頼まれる。
そのやり方に社内でも批判が出たけれども、業績が回復しだした途端、その2代目を持ち上げだした。

でも、うちはそんなにクールな対応はできない。
長い年月を重ねて信頼関係を築いてきた所だからこそ、色々な事を相談しながら、協力しながら、これからも一緒に仕事をしていきたいと思う。